【事実婚の定義とは?】メリットや手続きについて徹底解説

【事実婚の定義とは?】メリットや手続きについて徹底解説

2021.04.30

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結婚式参列L
結婚式参列L

最近、多くの人の間で、結婚に対しての価値観が変わってきていることを知っていますか?

カップルによっては、事実婚の形を選択することで、お互いの環境や価値観を守り、メリットを重んじる人も少なくありません。

そこで今回は、事実婚の定義をはじめ、メリット・デメリット、手続きや子どもができた場合についてなど、徹底的に紹介します!

事実婚とは?

法律婚との違い

はてなの雲
はてなの雲

まずは、事実婚とは、具体的にどういった状態を指すものなのかを理解していきましょう。

事実婚は、法的に夫婦とみなす何かがあるわけではありません。

そのため、法律婚のようにパートナーの扶養に入ったり、夫婦として住宅ローンを組んだり契約したりすることが不可能となっています。

法的には夫婦ではないため配偶者としては認められず、配偶者控除が受けられなくなるため、税金が高くなることがあります。

また、パートナーが亡くなった場合、遺産の分与なども、正式な遺言などがない限りは認められません。

事実婚に至るきっかけ

結婚式
結婚式

事実婚に至るきっかけとしては、どのようなことがあるのでしょうか。

多くの場合、別れることになったときの手続きが面倒というケースが挙げられます。

「なんでまた結婚とは真逆の別れるときのことを考えるの?」と少し寂しい気持ちになった人もいるかもしれませんね。

しかし最近では、自分のキャリアを守りたいという女性も多く、結婚をすることで専業主婦になったり、仕事に支障がでたりすることを嫌う人もいるのです。

事実婚であればそういった縛りがなく仕事にも影響が出にくいため、選ばれやすくなっていると言えます。

また、経済的に余裕がなく、結婚する費用やその後の生活を考え、事実婚を選ぶ人もいますよ!

事実婚の定義

家

事実婚の定義は、法的には入籍していない状態ですが、法律上の夫婦のように生活したり、お互いの扶助義務の責任を負ったりすることを指します。

同居、扶助義務、貞操義務などを果たしていれば、法律婚のように保護を受けることも可能です。

事実婚のメリット・デメリット

【メリット】姓を改めなくてよい

プロフィール
プロフィール

それでは次に、気になる事実婚のメリット・デメリットについて紹介します。

まずは、事実婚の1つ目のメリットとして、姓を改める必要がないという点が挙げられます。

法律的に結婚をすると、新婦が新郎側の姓を名乗ることが一般的ですよね。しかし、中にはどちらも姓を変えたくないという人もいると思います。

「姓を変更すると、家系が途絶えてしまう…」という場合に、事実婚を選ぶことでそのような事態を避けることが可能です。

姓を変更してしまうと、銀行口座やパスポート、保険などさまざまな変更手続きをおこなわなくてはなりません。

そういった面倒な点を排除することができるのは、事実婚の大きなメリットと言えます。

【メリット】戸籍にバツがつかない

結婚
結婚

戸籍にバツがつかないという点も、事実婚の大きなメリットです。

法律婚では、離婚すると届け出を出さなくてはならず、戸籍にバツがついてしまいますよね。

そうなると、戸籍上の「バツ」が気になって、なかなか再婚にも踏み出せないという人もいます。

しかし、事実婚であれば法的な手続きをおこなっていないため、婚約解消の場合でも戸籍にはバツがつかないのです。

戸籍上に、結婚・離婚の記録をつけたくない人にとっては、この点は大きなメリットになります。

【メリット】親戚づきあいを遠ざけられる

家族
家族

さらに、法的に結婚すると、親戚付き合いなども活発になりますよね。

パートナー以外に、その家族や親戚と顔を合わせたり、何かしらの関わりを持たなくてはなりません。

そのため、付き合いが面倒に感じたり、場合によってはトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

しかし事実婚であれば、親戚付き合いを遠ざけることができ、仮に親戚に問題があったり、パートナーの家族と折り合いがつかなくても、安心なのです。

親戚付き合いが少ないという点は、特に女性側にとっては大きなメリットになりますよね。

【デメリット】共同親権がもてない

赤ちゃんとママ
赤ちゃんとママ

事実婚のメリットはたくさんありますが、実はデメリットも存在します。

まず、事実婚の大きなデメリットとして、共同親権がもてないという点が挙げられます。

事実婚で子どもを出産した場合、親権はどちら片方の親にしか与えられません。

多くの場合、出産した母親に自動的に親権が与えられることになり、男性側は子どもの認知をおこなう必要があります。

さらに、父親側に親権をうつしたい場合には、家庭裁判所での手続きを行わなくてはなりません。

子どもが生まれたときのことを考えると、少し面倒に感じる人もいるかもしれませんね。

【デメリット】配偶者を証明しにくい

マグカップ カップル
マグカップ

事実婚でも、ある一定の証明を行うことができれば、法律婚と同じような保護・サービスを受けることができます。

しかし、戸籍上で法的に結婚していることを証明できない事実婚では、証明のための手続きが複雑であるケースもあるのです。

賃貸住宅の借り入れ、保険加入などの際にも、戸籍での証明ができません。

事実婚を証明するために、生命保険の証書、親族からの証言などによって、家族関係を証明しなくてはならないのです。

何をするにも手間がかかるという点は、デメリットになりますよね。

【デメリット】経済的に不利益がある

お金と人
お金と人

また、事実婚では経済的な不利益を伴う点もデメリットと言えます。

事実婚では、配偶者控除や医療費控除などの制度を受けることができません。事実婚の条件とは?そのため、支払う税金が高くなってしまうのです。

事実婚の場合には、相続権が認められていないため、相手の名義で所持している不動産や貯金を引き継ぐこともできません。

事実婚にしようと決断する段階ではよくても、その後のことを考えると大きなデメリットと言えるでしょう。

事実婚の条件とは?

婚姻の意志がある

ウェディングドレス 結婚式 花束
ウェディングドレス

では、具体的に事実婚とは、どのような条件のもとで成り立っているのでしょうか。

事実婚の条件として、以下のような点が挙げられます。まず、婚姻の意思があるかどうかです。

お互いがカップルとしてではなく、家族として存在しているという認識が一致しているかどうかが重要なポイントになります。

また、のちに正式な婚姻をするという意思があるかどうかも関係します。

この認識がお互いにズレている場合、金銭トラブルに発展したり、手続きが進まない可能性もありますので注意しましょう。

同居していて住民票が同一

可愛い家
可愛い家

二人が同居しており、住民票が同一であるかどうかも、重要になります。

生活を共にしていることが証明されなくては、事実婚状態とは認められにくいためです。

公的なサービスを受けたい場合でも、この住民票の一致が重要な資料となるため、必須事項でもあります。

また、生計を長期間ともにしていることも、事実婚の条件です。

短期間では事実婚とは認められにくいことから、少なくとも3年以上は生計をともにしていることを証明しなくてはなりません。

事実婚で子供ができた場合は?

入籍への準備を進める

妊娠中
妊娠中

「事実婚については分かったけれど、もし子どもができたらどうなるの?」と気になっている人もいると思います。

先ほど少し触れましたが、事実婚では親権が片方にしか与えられません。そのため、妊娠をきっかけとして、正式に入籍するカップルも多いのです。

子どもができてお互いの子どもとして育てていくためには、子どもの成長を考え、早めに入籍を考えておくといいでしょう。

子供認知届けの提出

子供を抱き上げるお母さん
子供を抱き上げるお母さん

事実婚の場合、親権は自動的に母親に与えられるのが一般的です。

そのため、事実婚状態のパートナーと子どもを親子関係にしたい場合、父親側が認知届を出す必要があります。

手続き自体は簡単なんで、子どもの将来を考えて早めに行動しておくことをおすすめします。

子供の医療費助成制度・児童手当の申請

万歳をする子供たち
万歳をする子供たち

子どもが生まれた際には、速やかに子どもの医療費助成制度を申請しましょう。同時に、児童手当も申請しておくことが大切です。

事実婚の場合、児童手当は父親の扶養家族である子ども1名分のみとなります。

法的に婚姻関係にある場合には、扶養家族が妻と子の2名となり限度額もあがるのですが、このあたりもデメリットになるかもしれません。

まとめ

今回は、事実婚の定義やメリット・デメリット、子どもが生まれた場合の違いなどを紹介しました。

事実婚には、離婚した際にバツが残らないという点や、仕事などのキャリアに影響がないという点がメリットです。

しかし、税金面で控除が受けられなくなったり、子どもが生まれた際に父親側の手続きが必要になったりとデメリットも存在します。

夫婦の形は問わない、というカップルも多いと思いますが、子どもができたときのことはきちんと話し合っておきたいですね。

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